複雑系科学とは
久しぶりの投稿です。今回は複雑系科学とはどんなものを扱うのか述べて行きたいと思います。
世間的には、複雑系科学という学問自体が非常に認知度が低いものであると私は感じています。他大学の友人や家族、親戚の人などに説明してもイメージが湧きづらい印象のようです。物理系を専攻する人の中に、複雑系科学に興味を持っている人が一定数いることがせめてもの救いです...
では、本題に移ります。
そもそも複雑系とは?
→実はまだ、厳密な定義はありません。
1990年代に注目を集めるようになった比較的新しい思考方法です。「要素が多くて複雑だ」とか「理解できないから複雑だ」ということから複雑系と呼んでいるわけではありません。自然界などにおける全ての現象が多くの相互に関連する要素をもち、その要素を細かく分けて一般性を見出そうとすると、本質が抜け落ちてしまうのです。そのようなことがらへのアプローチとして「複雑系」という概念が生まれました。
複雑系科学を名乗る専攻ではどのようなことを扱っているのか?
1.講義について
まず、私の所属の講義内容を大まかに挙げます
<数学系>
微積分、線型代数、離散数学、微分方程式、複素解析、フーリエ変換、確率論、力学系、カオス・フラクタル理論
<物理系>
力学、熱・統計力学、量子力学(私の入学した年のカリキュラムでは消滅)、生物物理学
<情報系>
プログラミング(c言語)、オートマトン理論、複雑系計算論、OS論、アルゴリズムとデータ構造、数値解析、情報理論、データベース工学
<その他>
電子回路、ゲーム理論、生命科学、バイオインフォマティクス
ぱっと見る限り、浅く広い範囲をカバーしていることになります。
2.研究範囲
私の所属する専攻での研究室を挙げると、、、
<数学系>
<物理系>
生物物理(タンパク質、ナノマシンインタフェースなど)、統計力学、物性物理、量子情報、宇宙物理学
<情報系>
機械学習、ニューラルネットワーク、セルオートマトン、マルチエージェントシステム、統計的処理、情報理論
<その他>
などなど
といった感じになります。
このように数・物・情報といった幅広い分野を扱っております。これを読んで、少しは興味をもって頂ければと思います。
拙い文章ではありますが、最後まで読んでくださりありがとうございました。